No2 各声調の 真の姿を図解

🔳要点 

                             

● 声調を身につけるうえで初めにおこなう練習、音域拡張トレ。

 

● 北京大学お勧めの簡単な練習方法!

 

● 日本人が最も苦手な声調、二声と三声、声調の長さにも注目。

 

 

 

通じるために、中国語発音で初めにすべき練習はなにか?このNoteでは、何となくわかっているようなことの、根本の理由と原因を提示し、どこにどう注意を払うべきかを示す点にあります。

発音でとくに声調の部分に焦点をあてて実際の練習に入る【実践編】のまえに、知識を理解しておきましょう。

 

🔳 理論編 

間違えると意味が通じにくくなるのは?

さて、ピンインは子音・母音・母音の箇所に加える声調符号、さらに無気音、有気音などで構成されています。このなかで、正確に口に出さないと通じないものはどれでしょうか?そしてその理由はなんでしょう?

 

子音は正しく発音できなくても、訛りのようなものですからある程度は通じます。北方中国語、南方中国語という方言がありますが、大概は子音の発音の違いです。

 

 

中国語の母音は子音の影響を受けますから、発音はグニャグニャと変化します(グニャグニャは加藤徹先生の表現です)例えば「e」の発音と「en 」の発音は違います。「a」の母音も「ian 」ではイエン「an」ではアンだったりします。子音の影響を受けて、言い易く少し母音の口の形が変わるようです。

 

子音・母音ではすこし発音がずれても意味は通りますが、間違えると意味が通じないのが声調!です。声調を間違えると言葉が別の言葉かあるいは、あり得ない言葉になるため、中国人には「听不懂!・何を言っているのかわかんない!」と言われてしまいます。子音・母音がきちんとしていなくても听不懂!とは言われません。聞き返されるということはあります。

 

訛りのないきれいな中国語を話せるようになりたいと思いましたら、ピンインの知識とトレーニングが必要です。中国人でも、小学校に入ってから子音・母音を学校で勉強します。日本の小学校で最初の授業が「あ・い・う・・・」とアナウンサーのような発音授業が必要とは考えにくいですね。それほど標準中国語(普通話・あまねく通じる言葉といいます)には知識とトレーニングが必要な言語なのです。

 

きれいな発音で中国語を話したいなら、母音・子音をきちんと発音できるようにするのは重要です。特に子音は舌の使い方や息の出し方など、日本語にはない発声の発音があり又複雑ですから、習得にはそれなりの練習の時間が必要です。

通じる中国語を話すには声調を先に身に付けましょう

  

意味が通じる点では声調が重要です。ですので、まず通じる中国語を話すには声調を先に身に付けましょう!声調にはいくつかのコツがあり、それを身に付ければそれだけで中国人らしい発音になりますし、听不懂!とは言われなくなるので話すことが怖くなくなります。

 

声調とピンインを一緒に学ぼうとしますとどちらも不十分な非効率な学習になりかねません。

 

もうひとつの通じるための音読練習

 

なおee!chaiではチャンク音読という、意味をとるための朗読練習を行います。これは息継ぎとイントネーションの問題で、これも身に付けますと意味が伝わり易くなりますし、聞き取る力も身に付きます。なにより、読みのスピードも必要になりますので、自然な会話の土台作りになります。サイトトランスレーションと言う、通訳技術の一つだそうです。

 

声調を丁寧にきっちり身につけようとして、生じる弊害が四声を気にし過ぎて、不自然で、よどみなく流れる自然な発音ではなくなってしまう可能性があります。小学生低学年の生徒の朗読を想像してみてください。あんな感じになりかねないので、そうならないようにするには、意味の塊ごとに息をつぐ、大人の読み方も身につける必要があります。

 

それを練習しながら子音・母音の発音も正しくしたいと考えますと、結構大変ですね。ですからとりあえず意味が通じるようになったら、あとは焦らずにじっくり学ぶということで良いのではないでしょうか。(笑)

 

さて学ぶ上で中国語と日本語の特性の違いを良く知る必要があります。音声学的な視点で日本人には何が弱点になるか?を理解し、そこを強化しましょう。

各声調の真の姿をトーンのある譜面図から確認しましょう!

 

左記の声調の図は、下記の北京大学の漢語語音教程からトーンの部分に五線譜のラインを引いて、縦が5っつのトーン、矢印が各声調の起点と終点の位置と、矢印の長さは音を発する際の長さを表しています。

 

 

下の図がテキストの原図です。簡単に見方を解説しますと。各声調の音の出だし、起点と終わり、終点のトーンを表しています。起点から矢印の印までがトーンの変化と長さです。

 

一声と二声は短めで三声と四声は長めです。上記の図は学習用に編集し直しています。

 

一声は少し長めになっていますが、一般的な教え方で伸ばすとあるからですが、伸ばさない方が良いのではと個人的に思っています。上の図の三声は半三声で三声の昇る部分がありません。

 

 

声調は四声といわれるように基本は4つのトーンで成立します。軽声といわれるおまけのようなものがありますがそれを入れても4+1です。日本語でも橋と端、雨と飴のようなトーン違いで意味が変わるものがありますが、中国語は4つですから少し複雑です。

 

日本語と中国語の音域を比べてみてください。

音域にドレミのトーンで5つのトーンを区別しています。

 

日本語の音域はレ・ミ・ファ程度ですが中国語ではドよりも低い音域からソまで幅があります。

 

中国語一声はソのトーンで横に伸ばします。三声ではドよりも低い音をお腹の下で出します。

 

もし日本語の音域の範囲内で、つまり一声がファあたりで三声がレあたりですとその範囲で4っつの声調を口にだしても、中国人の耳では真ん中あたりで少し音が上がり下がりしているだけですので、聞き分けることができません。

 

★★ ですので最初にすべき発音の練習は「音域を広げる」ことから始めます!

四声のトーン図 #四声
四声実際音読図

 

漢語語音教程では「四声実際読音図」でまず最初に一声と三声をセットにしてトーンの高低を練習して、中国語音域を身に付けることを勧めています。

 

一声のトーンは「ソ」です。三声は「ド」を更に低めにします。ソードー、ソードーを繰りかえし行います。時々あえて一番高いソをラまであげてラードーとしてみます。音域の感じがつかめましたら「ma」に変えて行います。

 

次に二声と四声で、昇る音(昇)と降る音(降)をセットにして、先に昇る音(昇)それから降る音(降)を練習します。ここで四声は落とすだけでなく力を込めましょう。二声は最後がキュットあがります。他方四声は拳でたたきつけるイメージです。どちらかと言いますと四声の方を意識してトレーニングします。マア―ッで高止まりし、次にマア―と落とすイメージ(太字を強調して発声)ですね。

 

二声が日本人には一番難しく、とくに三声と混同すると言われています。ですので二声で頑張るよりも、マスターしやすい四声を先に身につけてしまった方が効率がよさそうです。

 

こちらの動画を参考にお載せします。

YouTube発音講座チャンネルのいなばあきこ先生です。「中国語の学び始めは3声と1声の音の幅を大きめにとることがポイン‥」と言っておられます。

 

 

日本人の苦手な声調

 

「日本人学習者による中国語声調の習得の研究」という中国人研究者(朱虹氏)による博士論文のなかで、上記のように日本人の声調の特徴が記載されています。

 

この特徴は中国語を学んで苦しんだ日本人学習者なら思い当たる指摘ですね。

そしてトレーニングポイント

 

ここから上記のトレーニングポイントが浮かび上がってきています。

 

一声を揺らさないコツ ➡ 一声を長く伸ばすと最後が揺れてしまうので比較的短めに発声するとボロがでません。冒頭の声調の図ではすこし長く伸びすぎています。じつはあの図を作成したころは、一声は長く平坦に伸ばすと言われていたのですが、上述の論文以降ネイティブの先生の一声を注意深く聞いていると、結構短いなという印象でした。

 

また声調図の北京語言大学の原図のほうで一声は短めの横→ですね。

 

五度数声調表記法で確認をしてみましょう。

声調図 #中国語の四声
五度数声調表記法

 

この研究で各声調の持続時間は「第 3 声が最も長く、第 4 声がそれに続き、第 2 声と第 1 声は同じで最も短い」と報告しています。

 

左記のラインの長さを持続時間と考えますと分かり易いかもしれません。一声と二声のラインの長さと、三声と四声のラインの長さは明らかに一声と二声が短いですね。

 

ですから一般のテキストでは「一声は高くそしてまっすぐ伸ばす」とありますが、一声を長めに伸ばし過ぎますと、結果最後がまっすぐにならずに上がるか、下がるかして揺れてしまうという落とし穴にハマります。であれば揺れる前にその最後の部分は音を消してしまえば良いということになります。

 

なお一声の高さは「頭のてっぺんから声がでる高さ」をイメージしましょう。

 

三声は「お腹の下から、声がこれ以上は下がらないところ」から声を発して最後を上げない、半三声で練習すれば、二声と似た形の上がる部分がありませんので間違いやすさを克服できます。実際三声の後ろがあがるのは文の最後に三声が来た時だけで、ほとんどは文中ですので半三声で練習したほうが実際的です。

 

四声は上がりがち、つまり二声と取り違えてしまう傾向があるということです。これは二声か四声のどちらかがきちんと言えるようにしていれば問題を回避できます、ということで、日本人が苦手な四声に特徴あるコツを織り込んでより四声をマスターしやすくしてみました。

 

よく「カラスのカァー」という練習方も提案されていますが、実際に中国人のパブリックトークを聞いていますと、熱がこもりだすと四声は強い口調になります。強く声を出すのは、日本人の社会性からしますと、大人げないということで、日本人は強く言うのが苦手です。でも中国人ぽく強く力を込めて四声を発音したほうが、二声との違いは、はっきりします。

 

🔳 まとめ

 

1:まずは声調の基礎トレーニングとして、音域を広げる練習をしましょう。

 

2:声調の音域感覚を掴むため、高低は一声三声をセットで、昇る降りる(落ちる)は二声四声をセットにして、行いましょう。

 

3:発声の際の長さも意識しましょう。「第 3 声が最も長く、第 4 声がそれに続き、第 2 声と第 1 声は同じで最も短い」。三声は最も長く、一声二声は短くです。

 

次回は【実践編】です。YouTube動画から模範の声調動画を視聴して、実際のモデル発音から学びましょう。