
🔳 二音節声調【実践】での要点 二音節発音の原則:2音節目の声調を強調する
二声×三声、三声×二声の2音節をマスターすれば8割OK、徹底マスター
前回では二音節トレーニングに入る前に知っておくべきこと、また準備としてすべきことを取り上げました。知っておくべきポイントは二つです。
1:母音にアクセント
2:正しい拼音の区切り方を意識
声調とピンインの発声の基礎はまずローマ字読みから脱却すること!このことがとても大切で、ローマ字読みは言い換えれば日本語読みですから、この影響が残るうちは、ネィティブの声調を身に付けることができません。
それで、初級テキストにはピンインが振ってありますから、そのピンインの各漢字一つのピンインに子音と母音の間に|を入れて、母音をはっきりと読む、母音には声調符号がついていますから、その符号に赤ペンでマークするなどしてから、発音練習をお勧めしました。
目次
■ 実践16の組み合わせ
単音節での声調は4っつです。そうしますと2音節での声調の組み合わせは4×4=16 の組みあわせがあることになります。
この組み合わせで、言い方( 表現方法)のコツを取りあげます。
なお2音節の発音を行う際も、声調ですから当然トーンの高低は重要です。でもさらに各声調をよりはっきり目立たせるために、それぞれの声調の個性を知って、二つ組み合わせる際に、その個性で言い分けやすく工夫をしますと、聞く方も違いが掴めて、より通じ易くなります。
No1/理論編で各声調の持続時間は「第 3 声が最も長く、第 4 声がそれに続き、第 2 声と第 1 声は同じで最も短い」と述べました。
二声三声は聞き分けが難しいと言われますが、この特徴を利用することができます。三声は長く全体にゆっくり目ですが、二声は最も短いとあるので、二つの声調の組み合わせでは、意図的に長さの違いを強調することで、メリハリをつけることができます。
とくに二声の転換点のあと上がる部分は二声の個性ですから、そこを強調して、よりスピードを上げてキュット突き上げて終われます。
講師との練習の中で確認もしてください。
まず二音節発音で押さえておいて頂きたいことがあります。

二音節発音の際の原則:2音節目の声調をとくに強調する!
下記に引用した東外大モジュールでは発音のサンプルが載っています。聞いて確認をしてください。
東外大モジュールからの引用です。
「2音節の語句は一般的には2音節目を強く言います(1音節目のほうが若干強い語句もある)。
もちろん2音節目が軽声(2.2で述べた「半軽声」も含む)の場合は当然1音節目を強く言います。
東外大モジュール中国語発音実践編3
3 ネイティブ並の発音を身につけるために >
4 2音節語句のストレスパターン
日本語との対比で次の点も覚えておいておきたい点です。
日本語との対比:日本語話者は往々にして2音節目を強く言うのが苦手なので注意して下さい。」東京外国語大学言語モジュール
🔳 声調別に発音のポイントをざっと取り上げます
1, 前の音節が一声のGP
一声×一声➡ 2音節目の声調を強調ですから、2音節目が下がらないようにキープします。 春天 chūntiān 参加 cānjiā 飞机 fēijī
一声×二声➡ 後ろの2声が前の一声の影響を受けて、高いところから発する二声にならないように、一度トーンを落としてから上げます。 中国 Zhōngguó 加油 Jiāyóu 欢迎 Huānyíng
一声×三声➡ 音域差をはっきりと。 喝酒 Hējiǔ 风景 Fēngjǐng 方法 Fāngfǎ
一声×四声➡ 2音節目の声調を強調ですから、四声は前の一声より高めのトーンにして、一気に力を入れて落とします。 吃饭 Chīfàn 高兴 Gāoxìng 音乐 Yīnyuè
2, 前の音節が二声のGP
二声×一声➡ 2音節目を強調ですから、一声は前の二声の最後の高いトーンより更に高めに。明天 Míngtiān 时间 Shíjiān 成功 Chénggōng
二声×二声➡ テキストによっては後ろの二声の出だしを下げてから上げる、と教えていますが、実際には二声のトーンを落としてあげますと不自然さがあります。 足球 Zúqiú 邮局 Yóujú 食堂 Shítáng
これはお勧めの動画があります。あとでご紹介します。
ニ声×三声➡ これも2音節目の第三声を思い切り低くすることがコツになります。游泳 Yóuyǒng 牛奶 Niúnǎi
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二声×四声➡ しっかり上げて、そこから一気に落とす。
二声と四声ではそれぞれの声調と組み合わせの二音節での良い動画があります。文章ばかりみてますと疲れますよね。どうぞ動画をご覧ください。
YouTube中国語発音講座のチャンネルからです。
日本人の先生の教え方はさすがツボを心得ているという印象があります。
3, 前の音節が三声のGP
三声×一声➡ ここでも三声×一声の音域差をはっきりとします。 好吃 Hǎochī 老师 Lǎoshī 北京 Běijīng
三声×二声➡ ここでも一音節めの三声を低くしておくことが大切です。三声を低く仕切れないと、2音節目の二声が上がらなくなってしまいます。 检查 Jiǎn|chá 可能 Kě|néng 整天 Zhěng|tiān

この図をみますとTone2(二声)とTone3(三声)の起点(音の出だし)が互いに近いことが分かります。そして二声と本来の三声には後半部で転換点があり音が急に上昇します。
この時に、二声三声どちらも音域に差がなく、またとくに三声のトーンが全体に少し高めだったりしますと、二声と区別がつきにくくなってしまいます。
No1で日本人の声調の特徴として、二声と三声は最も間違えやすいと書きました。単音節でも間違えやすいのですから二音節ではなおさらです。
実際二音節で「二声×三声、三声×二声の組み合わせ」をマスターすれば、長い文章でもかなり正確な声調で読み通せるようになります。
三声×二声の練習で「アジアの言葉教室」いなばあきこ先生の動画をお載せします。一緒に練習をしてみてください。
中国語を話しやすくするカギは3声にあります。と述べておられ、三声と二声の単語の組み合わせが多いので、三声×二声の二音節声調を身に付けることが、通じる中国語を話すうえで重要だということも強調しています。
三声×二声 では もう一つ声調図を豊富に使ってとても分かり易く説明された動画があります。「夏季老師の日本人のための中国語チャンネル」、登録者数 4290人(2021年8月末)という人気の動画です。ご紹介します。
ともかく図解が多く中国語初心者でも分かり易いのがいいですね。また二声の発音が一般のテキストにはない実践性が素晴らしいです。
ちなみに中国人研究者の音声学の研究から二声と三声を分析する際、二声、三声内でのピッチの転換点がとても重要になっています。ですから二声の全体を通常図解されているラインの45度以上の一本調子の直線昇り矢印を図解通りに理解をしていますと実際の発音とは違ってしまいます。
ちなみに日本人が二声三声が苦手な理由が一音節内でのピッチ転換は日本語にはないので馴染みがない発音だからです。そこを理解していれば特に練習の必要な組み合わせと納得でき、二声三声の練習に前向きに取り込めると思います。
三声×三声➡ 三声の連続です。が、これはご存じのように一音節目の三声は二声に転調しますから実際は二声×三声になります。
三声×四声➡ ポイントは三声を半三声で低く抑えることと2音節目の四声の起点の高さを取る、つまりここでも音域の差を明瞭にすることです。いなばあきこ先生の動画では「三声×四声」もありました。ご視聴をお勧めします。
※ Noteでは他の先生ばかりのご紹介になりますが、自己学習されるかたは、ぜひこうした先生たちの動画から学ぶことをお勧めします。
4, 前の音節が四声のGP
この一音節目の四声の組み合わせは最初の音をガツンと強く落として発音しさえすれば、二音節目がどの声調であれ間違うことはあまりないので、難しくない組み合わせです。ですからどの項目でも冒頭は「最初の音をガツンと強く落として発音」ですから、それを添えて読んでください。
四声×一声➡ 二音節目が一声ですから一度下がった音を、きちんと最も高いトーンに戻ることを意識しましょう。上班Shàngbān 电车Diànchē 大家Dàjiā
四声×二声➡ 下がって上がる、ですので二音節目も負けずにきっちりあげましょう。数学Shùxué 去年Qùnián 未来Wèilái
四声×三声➡ 落ちて沈み続ける感じでしょうか。电脑Diànnǎo 日本Rìběn 政府Zhèngfǔ 日本の日Rì の声調が弱い、つまり軽く発音しますと通じないので力をいれましょう。
我Wǒ 是shì 日本人Rìběnrén。私は日本人です。と言ったのに、え?と聞きかえされたら、落ち込んでしまいます!
通じなかった原因は是shìと日本人Rìběnrénの二つの四声の言い方が弱かったか、難しいRìの子音Rが上手に発音できなかったことが考えられます。でもせめて日本人の日(Rì)だけでも堂々と強く言えば通じたかもしれません。
聞き返されてさらに弱くなりそうだったら、通じない方が悪いぐらいのつもりで思いっきり、言い返してやりましょう。我Wǒ 是shì 日本人Rìběnrén。
🔳 まとめ
実際の練習に入る前にすべきこと
■ ローマ字の影響から脱する

1:子音と母音の間に区切りのスラッシュ |を入れる
2:母音の上に四声のマークを赤ペンで上書きする。声調マークの付いた母音はとくに明瞭に発音する。
■ 2音節での発音の場合、2音節目を強く言う。2音節目の声調はとくに、はっきりと発音する。
■ 日本人が最も苦手な「二声×三声と三声×二声」を徹底的にマスターする
最後に声調に関する二つの動画をご紹介します。
まずは、「つながる中国語文法」の著者で五林中国語教室の主催者の 林 松涛 先生の語林中国語教室のYouTubeピンイン授業シリーズから「間違えやすい声調組合せにコツがある」の課です。「つながる中国語文法」は一般的な文法書と違い中国語の全体像と構造が理解できる本です。とくに語順を学べる良書と言えます。話すうえで中国語では語順が重要なのですが、語順に関する本は少なく、語順を知りたいかたにとっては必須です。
二声×二声の連続で一般的には2音節目の二声の出だしを1音節目の出だしと同じトーンに落とすと教えますが、先生は2音節目の出だしを落とすとはお教えしません。理屈的には落とすほうなのかもしれませんが、ネィティブには不自然なのでしょうね。
実はうちの講師たちの発音を聞いても、2音節目を落として、上がって下がって又上がるという揺れる感じがしないので、?に思っていた点でした。この教え方でとっても納得ができました。ありがとうございます。<(_ _)>
他の声調の組み合わせ方のコツでも、ネイティブの自然な感覚を味わえますので大変興味深い内容です。
もう一つは新人YouTuberです。お姉さんが教えてくれるのですが視点がユニークです。このお姉さんの教え方は分かり易いだけでなく、ともかく面白い!
あまりに面白いので、10回予定の9回までが載っていましたので、一回で全部視聴してしまいました。この講座の予定の部分で動画の他の回を取り上げる機会がありますので、また紹介できそうです。
🔳 次回からピンインの中心部分、母音・子音に入ります。
通じるようになったら、「きれいな中国語ですね」、中国人流に言うならば「標準!だ」と褒められたいですよね。
声調の次に、通じる!うえで重要なのが「母音」です。日本語の母音「あ・い・う‥」は固定した発音ですが中国語の母音は少し変です。ピンインで?と感じることの多い母音、そしてともかく複雑なのが「子音」、でもきれいな発音!という点ではこの子音をマスターする必要があります。

ピンインは最初日本語のローマ字とそっくりだから簡単そうと感じたのに、実際に勉強を始めたら、訳が分からない!と感じる方が多いようです。その原因に焦点を当てました。理解のカギとなるフレーズは「子音優先!母音重要!」です。いくつかの記事になっておりますので、ぜひ最後までご覧になってください。
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