日本人訛りを打ち消す拼读!ピンインの本当の読み方!本課前書き‐2 

ピンイン拼读レッスンのポイントです。詳しくは本課前書き‐1をご覧ください。

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本課前書き‐1では英語のフォニックスと中国語のピンインを取りあげ、互いに大変よく似た機能をもち、発音学習では欠かせない点に焦点をあてました。

この記事では、はじめて中国語を学ぶ日本人向けに、ピンインとローマ字を比べて、ピンインの特徴を浮かび上がらせます。

日本人の訛りの原因は母語の発音の影響が簡単には打ち消せないからです。

■ ピンインとローマ字の違い

音節と拍の違い!

英語や中国語の発音を学ぶ際、まず理解しておかなくてはならないのが「音節」です!日本語にも音節がありますが、日本語では、音節はそれほど重要ではありません。

「音節と拍」とは何でしょうか?どちらも音で言語を聞いて理解する場合の音声を区切る最小単位の音のまとまりの単位のことを言います。

日本語にも音節はあるのですが、日本語では「拍」の概念が前面にでますので、音節の言葉を初めて聞く人も多いと思います。

日本語では「お・ば・さ・ん」4拍で「お・ば・あ・さ・ん」は5拍です。
日本語では音声の言葉一つが、子音・母音(単母音)のセットですから、音声の流れは「子音・母音で一音」が繰り返し流れますから、日本語では音節よりも「拍」の方が区切りやすく分かりやすいということで拍が重視されています。
※「おばさんの音節」 ➭「o・ ba・ sa・ n」
 「おばあさんの音節」➭「o ・ ba ・ a・  sa・  n」
 子音・母音のセットで、「o・ a・ n」 のようにアルファベット一文字で音声になっているものもあります。ちなみにピンインでは n は ng の場合もあります。

ですから日本語を外国人に教える際、日本語教師は手を叩い て拍で音声を区切って教えます

他方英語そして中国語では音節がその最小の音声の単位になります。中国語の単語及びピンインの基本を知るうえで、音節をいつも思い出して理解しませんと、ピンインを理解できません

以下の動画は、中国語教育専門家である中国人研究者の女性が作成したもので、中国語の音の仕組みが分かり易く説明されています。

ピンインを学ぶ際に土台となるのが音節についての知識です子音・母音のセットで一音節です。中国語では、声調もあります。実際のピンインでは母音の部分に4っつの声調の符号が付されて、これを組み合わせて発音することで意味のある単語になります。

カエルライフさんは中国語学習動画のレジェンドです。「よくわかる中国語発音入門講座」は#1から#10までサンプル動画としてYouTube動画で無料視聴できます。初心者の方はぜひまず全10回のこの講座を視聴することをお勧めします。

■ ピンインと日本のローマ字

♫ ピンインと日本のローマ字は、見た目がとてもよく似ています!日本人には扱いやすいのですが、問題点もあります。

比較した実例:く、。 
   字も意味もそして発音記号のローマ字とピンインもそっくりです。

日本語:「開くの開/音読み」 ローマ字・Kai
中国語:「打开/Dǎkāiの开」 ピンイン・Kāi 
※ 
「开」は「開」を簡略化した簡体字という中国の漢字です。
※ 「開く」は中国語では「打开」と言います。

開Kaiのローマ字、Kāiのピンイン、子音と母音の組み合わせが同じで、違いはピンインには声調符号があるだけです。学習初心者の方はアルファベットの綴りがローマ字もピンインも同じですから、ピンインの発音は「カイ」つまり日本語の「カ」で発音し、一声の高いトーンだけ中国語発音にすれば中国語の発音になると理解し、そのように発音しがちです。

そこに大きな発音の落とし穴があります。

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日本人は日本語の「拍」の概念で発音してしまいますから、「Ka」と「i」の2拍で発音します。中国語の音節では、どのような発音になるのでしょうか?

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姿形はそっくりだけど、性格が全く違う兄弟!

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類似点!

類似点は、子音+母音の並びの仕組みが同じという表面の形です。 開のローマ字・Kai。开のピンイン・Kāi。

見た目がそっくりです。しかし発音は全く違います。

ピンインとローマ字の違いを中国式の読み方の練習に使うピンインローマ字の図解で比べてみました。

■ 子音と母音、音節の違い!

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开  と 開

この図で音節の違いをまずご覧ください。

日本語では「か」と「い」の2音節での発音です。音節で説明しますと「k・カ行の子音」と「aの母音・ア」による「」という発音、そしてもう一つが子音のない「iの母音・イ/」の二つの音節からなる発音です。

中国語では「Kāi」は「kの子音」と「āiというaとiの二つの母音が一つの母音aiでそこに一声という声調がついて「āiという複合母音」のセットで成立します。これは一つの音節です。

音の区切りの最小単位が日本語では ka   i  と 二つですが、中国語では Kāi の一つです。

発音の違いを理解するためには、このことをしっかり理解していませんと、結局日本語なまりの発音をしてしまいます!

■ 子音の中国語の発声法

ピンインのに括弧がついた(e)があります。子音だけでは音声になりませんから、まずは(e)の母音を付けて「Ke」で音声を出してくださいという意味です。

下記が「Ke」の模範音声です。

https://www.isc.meiji.ac.jp/~katotoru/douga/chinvu-gkh.mp4

※ この発音は明治大学の加藤徹先生の「中国語発音学習教材 2-1 / 2-2 声門閉鎖 / 単母音」から引用しています。なお次に述べます中国語の子音優先は加藤先生が指摘しているものです。このシリーズのなかで先生の授業動画もご紹介します。

■ 子音優先の中国語、母音優先の日本語

中国語では先に子音「Ke」の構えを作って「子音k」の発音の仕方の確認をしています。音声を発してはいませんが、その構えからすぐに母音「āi」をはっきりと声調付で連結して「Kāi」と発音しています。「Kāi」で一つの音節ですから一つの音声です。

※ 構えと表現するのは動きに入る直前の止まった形を表しています。武道や格闘技の構えをイメージしてください。中国語の子音には母音も含めた発音全体に入る前の型のようなイメージがあります。

他方日本語では「か」を発音するとき、母音の口の形を先に作っています。つまり」の口の開きでそれから子音を加え「」と発音しています。結果「子音と母音は完全に一体化」して「か」という音声になります。ですからローマ字「Kai」は実際の発音では「Kaか と iい」と二つの音節で発音した二つの音声になっています。

★ 子音の構えをきちんとつくってから母音につなげる中国語は子音優先と言えます。他方日本語ではさきに母音の口の構えを作り、子音と一体化させます。これを母音優先と言います。

実際日本ではアナウンサーや演劇や歌手なども母音の「あ・い・う・・」の練習を発音練習として行います。劇団四季の「母音法メソッド」という母音をトレーニングする練習法は有名です。

発音の仕方そのものが、このように日本語と中国語では大きな違いがあります。

この違いは前回の記事で、ピンイン(拼音)のピンの文字/拼・Pīnの意味にピンインの発音を読み解くカギがある点を指摘しました。大事な点ですので再度ご覧ください!

■ ピンインの意味?

拼・Pīnの意味は、子音と母音をつなぎ合わせる、もしくは綴りあわせるです。発音の仕方を考えますとピンインでは確かに!「子音と母音をつなぎあわせる、綴り合せる発音の仕方!」になっています。

ピンインを子音と母音に分解して、それぞれの発音をフォームで確認し、それから子音母音を連結して声調付一音節で発音するのが中国式発音で、その読み方が拼读pīndúになります。

■ 中国語には複合母音という母音があります。

āi」は単母音「a」と「 i」が「aiという一つの母音としてなめらかに発音する複合母音です。ですから子音「k」さらに母音も一つの「ai」ですので、一音節の発音です。

日本語では上記で説明しましたように「」という2音節での発音になります。この点でもローマ字とピンインには大きな違いがあります。

下記のサイトで中国語の 开/Kāi の音声を聞くことができます。
日本語の「カイ」との違いを意識しながらお聞きになってください。

このように日本人はローマ字を知っているために、発音上の問題点を抱えます!

■ 日本人の発音の問題点

■ ローマ字読みが原因

子音の発音が日本語と違うのに、ローマ字で日本語発音してしまう。

上記のローマ字Kaiとピンイン・Kāi は、子音・母音(声調付)に分解すると発音の違いがかなりはっきりと分かります。

Kai を拼读で発音するなら。次のようになります。

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g(e) k(e) h(e) の舌根音子音「he」の発音に注意を払うように教えてくれている動画があります。アジアのことば教室、稲葉あきこ先生です。発音の仕方を分かりやすい表現で的確!に教えてくださっています。

和很多外国人不一样,中国人好像很喜欢喝热水。中国人は多くの外国人とは異なり、お湯をよく飲むようです。
 hěnduō wàiguó rén bù yíyàng, zhōngguó rén hǎoxiàng hěn xǐhuān  rè shuǐ. 
和()   很(hěn 好(hǎo)  喝() この語の一連の子音「h(e)」の発音の仕方にですが、和() と喝() は舌根音「h(e)」の喉の奥からノドと息をこすらせて出す発音そのままですから、発音を習ったかたならちょっと意識すれば正しく発音できます。

問題は「很(hěn) と  好(hǎo)」です。he と ha が脳裏に浮かんだとたん、日本語の「ヘ・ハ」に影響されて、喉の奥から出す中国語独特の「h(e)」の発音がどこかへ飛んでいってしまっていないでしょうか?

これは拼读で h(e)en→ hen 三声(hěn) 、h(e)-ao→hao 三声(hǎo) というプロセスを踏んで発音すれば、正しい子音と明瞭な複母音でネイティブ発音になります。日本語っぽさから脱却できます!

■ 違いを理解して、ピンインは拼读で読むようにしましょう。

違いを知ってピンインを学び、中国式でのトレーニング(拼音拼读训练)を行えば、中国語発音は誰でも克服できます。

ということで、ee!chaiでは中国で行われているこの拼音拼读を大人対象にやってみよう。と考えました。

大人はピンインの読み方の過程、つまりその仕組みを理解して練習をしたほうが納得し易いと考えられます。

そして実際の練習は子供と同じレッスンで、口に出して口ずさんでみましょう!です。

母音・子音それぞれに口诀kǒujué. という口ずさんで覚える「・・歌」が練習用にあります。右脳に染み込ませる方法です。

個別のピンインの発音だけではなく、中国語の語感を身に付けることも大切です。中国語では韻を踏んだ文章が独特の響きを醸し出します。日常会話では味わえないものがあります。

語感を身に付けるために詩のような短文を朗読します。最終的には会話文なども音読して、実用中語語の発音にも慣れましょう。

数名の少人数Zoomオンライン教室です。
大宮西口駅前のマンツーマン中国語ee!chaiの教室でも3名以内GPレッスンで行います。
このNoteで募集の案内も行います。しばらくお待ちください。

では次回からがレッスンで使用する一課テキストです!母音・子音・声調で実際にee!chaiの講師とともに練習しましょう。そして短文の朗読も行います。