【チャイ語なび】
外国語習得の鍵はリスニング力にあります。聞き取れれば、音声で言葉をどんどん吸収できるからです。
「言えれば聞けて!聞ければ言える!」という原則があります。そのためには自分が正しい発音で言えるようになる必要があります。
自分が言えない言葉は聞き取れません。発音の良くない人はですからリスニングもよくありません。
日本人は漢字がわかりますから、文字で単語や文を覚えることができます。
視覚で覚えても、音でも覚えなければ、会話にはなりません。
そのために「ピンインの音声のフォーム」を知って、そのフォームで発音できるようにすれば、習得は一気に進みます。
中国語の表現方法は日本語とよく似ています。
時制や人称もありません。また主語は英語のように動作をする人に限定されず、日本語と同じように話のテーマ(主題)が主語になります。
語順も主題(S)があって、どこで+誰と+どのように、と説明が続き、する(V+何を(O)となります。
彼女はきれいだとか今日は何月何日、東京は賑やかだとかは全く日本語と同じ表現で単語が中国語になっているだけです。
これが中国語の代表的な基本文型の構造図です。彼女はきれいだというときは、述語の部分が「きれい」の形容詞を使います。
文はこのようにまず話の主題となる主語部分とその主題を説明する述語部分で構成されます。
中国語は単語の形で品詞の見分けはつきません。
また一つの単語が名詞だったり動詞だったりと複数品詞を兼ねることもしばしばです。どの品詞の役割を担っているかは、単語の置かれている位置、語順できまります。
この文章で、核となる語句は【 爸爸 看 书。お父さんが本を読む】です。小王の爸爸で王君のお父さんという主語ができました。
王君のお父さんが、「図書館で、王君と、一緒に」、「読む」となります。動詞の読むのあとに「1時間」が入って、「読む」の目的語の「本を」が最後になります。
動詞述語文の語順の基本型です。
このように、文型と語順を覚えれば、単語を入れて表現ができるようになります。
日本人には馴染みやすい表現の仕方です!
構造を見て、日本語との違いも知っておきましょう。
述語動詞の置かれている位置を確認します。日本語は動詞は文の最後に来ます。この場合は「食べる」ですね。中国語では「吃」ですが、文の中央部に置かれています。
「一杯よけいに(多く)食べた。」で一杯よけいに(多く)が動詞の前に置かれて、食べたを修飾しています。
中国語では「吃了」でまず助詞の了(完了)がついて食べたの語句を、余計に(多く)という副詞が動詞の前で、後ろから一杯という数量補語が動詞の動作を補っています。つまり修飾関係が前からと後ろから補う形で行われ、最後に動詞「食べる」の目的語「ご飯の・饭」が置かれています。
話すためには、ルールは頭の片隅に置くだけにして、こういうことを言いたいときには、このように表現するという、中国人特有の言い方を覚えたほうが、実用的で話しやすくなります。
例えば「・・・してください」よりも「‥したい」と伝えた方が中国語的で、よく伝わります。
会話文の音読トレーニングをしながら、実際の文章を覚え使うことで、正しい言い方と間違った言い方の違いが分かるようになります。こんな言い方はしないなと気づくようになれば、構造も語順の知識も、もう身に付いたようなものです。
【サイトトランスレーション】は通訳の技法の一つで、文の流れに沿って、意味の塊ごとに、意味を取っていくという方法です。チャンクは意味の塊をさします。
https://englishhub.jp/method-2/sight-translation
右の本は「はじめよう 中国語音読 初級編(アスク出版)」のp20です。英語も中国語も語順が大切ですから、その点で中国語もこの「サイトラ➭スラッシュを入れて、意味の塊で読みながら意味を取る」という方法が使えます。
皆さんが日本語を喋るとき、最後まで文を考えてから話すことはしませんね。相手の言うことも最後まで聞かなくても、途中までで意味を取っています。
日本語ではできるのに、中国語でできないのは、考えの流れ方が日本語と中国語では違うからです!
中国語モードでの考え方を身に付けましょう。それが「サイトラ音読、チャンク読み」のトレーニングです。
さて、当教室ではこのレッスンで、スラッシュに加え述語(動詞・もしく形容詞)にマークを加えます。
スラッシュとマークで文の流れに沿って意味を取り、そのうち自分が話すときも同じように文の流れで表現できるようにします。
ピンインを知って発音ができるようになり、サイトラ音読やチャンク読みで文を正確に口に出して表現できるようになる過程で、音声だけでコミュニケーションが取れるレッスンも行えば、早くから話すコツが掴めます。
ただ初心者は語彙も文の作り方もよく分かっていません。そこで何か言いなさいと言われても無理ですね!
そこで講師の言葉を使って対話します。
方法は講師の問いを理解し、その文を使って答えるというもの。
中国語は疑問形と応えの叙述文で語順の変化がありません。ですから講師のQを聞いて、講師の口に出した文章をそのままつかってオウム返しに応えることができます。
生徒の側からすれば聞き取るというリスニングのインプットと応えるアウトプットを毎回同時に行います。
応える際に、講師の文を使っていますから、正しい語順で応えられます。そこに翻訳という母語が入る余地はありません。
充分にそのレッスンを行ってから、同じ内容の事柄を自分の理解した表現で、再度自分の考え、表現で要約してみます。
その時に言いよどんだり、間違えた言い方をしますが、講師はここでリキャストという、修正のフィードバックを行います。
生徒さんのスピーキングを止めずに、すぐ後で同じ言い方を正しく修正して生徒の傍でつぶやきます。これがリキャストです。
生徒は講師のフィードバックを聞いて、自分の語順の間違いや、単語の使い方の間違いに気づきます。
この対話レッスンを発展させて、自分の考えが中国語で表現できるようになれば、相互交流という語学取得のためのインターアクションが行えるようになります。ここがレッスンのひとつの目標地点になります。
ここに到達するうえでのモチベーション維持にHSK各級合格という進歩の里程標も活用することをお勧めします。
※【インターアクション(インタラクション】リンクしてあるサイトをご参照ください。なお第二言語習得研究を概観するには【徹底検証!日本の英語学習の問題点と解決策】がお勧めです。