通じ易い発音は声調がカギ!そのために音域を広げよう!ピンイン拼读!3課・声調

 

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日本人の中国語発音はあまり上手とは言えないようです。声調が平坦で聞き取りにくいからだそうです。
平坦ということはトーンの高低の音域差があまりないことと、上がるトーン下がるトーンもはっきりしていないからです。
まずその弱点を克服しましょう。

yú(魚)wǔ(五)yī(衣)の「魚・五」

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韻を踏んだ単語の発音と声調の練習をしましょう。
教材は北京出版社の語文からです。とてもきれいな歌です。
yú(魚)wǔ(五)yī(衣)の三つが入っています。

体に五色の衣をまとい、尾を振って水中で遊ぶ小さな熱帯魚の様子を描きながら詠みましょう。意味は字から推測できます。
動作の主体の語の次に動作の語があって、様子を描けるそんな中国語の表現の仕方にも慣れてください。

小小Xiǎo xiǎo 热带鱼 rètài    
 shēn  pī 五彩 cǎi 衣   披(pī))(肩に)掛ける,はおる
尾巴 wěibā 摆一摆 bǎi  bǎi              摆(bǎi) 揺れる.振る(左右へ)
水中 shuǐzhōng 玩 wán 游戏 yóuxì     玩 (wán)遊ぶ、游戏(yóuxì)遊戯、遊び


この課のポイント!

日本人の弱点を克服する練習法はないだろうか?
ありました!
北京大学の外国人向け中国語発音テキスト「漢語語音教程」です。外国人中国語学習者の特徴に対応した中国語発音テキスト。という宣伝文句です。

このテキストでは外国人とくに日本人の弱点をまず補強する、簡便練習法!が提案されています。


これだけは学んでおこう!

まず中国語の声調がどのようなものか、をご覧ください。

■ 声調の説明の原図

中国語の声調(トーン)を音符のように5度標記で表した図があります。ドからソのトーンのように捉えておいて良いと思います。
Tone1は一声で高い音域(ソ)で平坦なトーンです。Tone2は二声で上がるトーンです。Tone3は三声で下がってから上がります。Tone4は四声で高いToneから一気に落ちるトーンです。

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ここで生じる日本語との大きな違いが言葉の音域の差です。

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日本人はまずトーンの拡張練習をおこないましょう

日本人が声調で失敗する原因はトーンの高低差を克服せずにmā・ má・ mǎ・ mà の声調練習から入ってしまうことにあります。

■ 音域差を広げる練習法

北京大学が外国人向けに編纂したピンインの専門テキスト、漢語語音教程では mā・ má・ mǎ・ mà とは違う組み合わせでの声調の簡便練習法!が提案されています。

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第三声を下げてから上げるTone3の方法ではなく、上の図にあるよう「低的简便方法(下げてから一番低いままで発音)」を採用するようにというお勧めです。

三声を下げてから上げるトーンではなく下げたあとそのままのトーン(半三声と言います)で練習することで、高い一声✖低い三声そして昇る二声✖降る四声で練習ができる、この方法を声調の初学者向け簡便練習法として紹介しています。

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ちなみに右の1から5はド・レ・ミ・ファ・ソのトーンに合わせてあります。言葉にこれだけのトーンの音域差がありますと、まず日本人は音楽のようなトーン変化そのものの練習が必要になります。

トーンの音域差を意識して各声調の練習をして、日本語音域の範囲を広げる必要があります。

つまり mā・ má・ mǎ・ mà ではなく、 mā×mǎ(一声×三声)そしてmá× mà(二声×四声)の2セットでの練習法です。

この練習では高い一声と低い三声(半三声)の対比で音域の一番高いトーンと一番低いトーンの音域差が身に付きます。

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ここまでのまとめです。トーン拡張のための、声調の基礎の基礎ワークレッスンを次のように行ってみることをお勧めします。

❶ 最初に一声と半三声をセットにしてトーンの高低を認識
❷ 次に二声と四声をセットにして昇(のぼる)と降(くだる)の感覚をつか
ことが勧められています。

実際の発音での注意点

■ 一声×三声の特徴

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一声×三声での音域拡張レッスン

一声  ➡ 自分が考えるトーンより少し高めに発します。
    ドレミファソと音程を取って、ソよりも高めに発します。
    持続時間は短めにして、後のトーンが落ちないようにします。
半三声 ➡ お腹の底で音を発しますが、低くすると音を出すのが苦しくな
    ります。その苦しいのを我慢して発します
練習方法➡ 一声×半三声を繰り返します。消防車のサイレンの「ピー×ポ
    ー」の要領で
,「mā×mǎ」で「最高の高さ×最低の低さ」を発声する
    つもりで繰り返します

また二声と四声の組み合わせでは一番高いところにまで上げる声調と一番高いところから一番低いところまで急に落とす四声の、特にトーンを意識した練習ができます。

■ ニ声×四声の特徴

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ニ声×四声での音域を意識した練習

ニ声 ➡ 最後にキュット角度をつけて上を突くのがポイントです。
四声 ➡ トーンを落とすだけでは四声らしさがでません。力を込めて落と
     しましょう。

では講師と共にまず一声×半三声、そして二声×四声を ma で行ってみましょう。トーンの音域の幅を意識して行います。

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■ ミスレイの『歌う』中国語発音 @sing.chinese 紹介

声調の練習でこれほど分かりやすくまたレベルの高い動画は驚きでした。

許可もなく載せていますが、中国語声調練習でこの動画を中国語を学ぶ方は絶対に見るべきだと感じましたのでお載せします!

【中国語発音専門チャンネル】 元音楽の先生で現在英語発音トレーナーが日本人のために考案した中国語発音学習プログラム。 難しく感じる中国語の発音を、いかに楽にネイティブらしい響きを身につけるためのコツを伝えます。
【ミスレイ】 中国生まれの日本人の祖母を持つクォーター。 13歳で来日し、19歳で渡米。 アメリカで主にピアノ・ボーカル講師として活動した後、 現在は日本で最大級英語発音専門スクールのマスタートレーナーを務める。

一声×半三声、二声×四声のYouTube動画です。単語の練習もあります。ごらんになってください。

下記の理由で当教室でもこの練習を強くお勧めします。

日本人の方には一声×三声と二声×四声の声調練習を強くお勧めします。この練習は日本人にはとても効果的で、この練習を通常の一声から四声に順に練習する前に、まずはこのタイプの練習を強くお勧めします。

音域拡張と上がり下がりのトーンを身体に身に付けるにはこの練習から始めた方が間違いなく声調の重要なセンスを身に付けることができます。

◆ 単語とフレーズで声調練習

一声×三声
fāzhǎn
 发展   fāngfǎ 方法    jīchǔ 基础    kāishǐ 开始    shēntǐ 身体
发展很快(Fāzhǎn hěn kuài.)発展が速いです。
有很多学习的方法。 (Yǒu hěnduō xuéxí de fāngfǎ.)
学ぶためのたくさんの方法があります。
要保持健康,就要关注身体。 (Yào bǎochí jiànkāng, jiù yào guānzhù shēntǐ.)健康を維持するためには、身体に注意を払う必要があります。

三声×一声
hǎochī 好吃   jiǎndān 简单   lǎoshī 老师   xǐhuan 喜欢(好む) yǐjīng 已经(すでに)
这个水果很好吃。 (Zhège shuǐguǒ hěn hǎochī.)
このフルーツはとてもおいしいです。
这个问题的答案很简单。(Zhège wèntí de dá'àn hěn jiǎndān.)
この問題の答えはとても簡単です。
我已经吃过晚饭了。(Wǒ yǐjīng chī guò wǎnfàn le.)
私は既に夕食を食べました。

ニ声×四声
 chéngshì 城市
(都市)   chídào 迟到(遅刻する)  háishi 还是(やはり )
这个城市有很多美丽的风景。(Zhège chéngshì yǒu hěnduō měilì de fēngjǐng.)
この街には美しい景色がたくさんあります。
他今天迟到了。 (Tā jīntiān chídào le.)
彼は今日遅刻しました。
你喜欢咖啡还是茶? (Nǐ xǐhuān kāfēi háishì chá?)
コーヒーが好きですか、それともお茶ですか?

四声×ニ声
bàngqiú 棒球
(野球) fùxí 复习(復習) wèntí问题fùzé负责(責任を負う)
我要开始复习考试了。 (Wǒ yào kāishǐ fùxí kǎoshì le.)
私は試験の復習を始めるつもりです。
有一个问题。 (Yǒu yī gè wèntí.)問題があります。
我负责这个项目。(Wǒ fùzé zhège xiàngmù.)
私はこのプロジェクトを担当しています。

■ 語文教科書

ここまでで、日本語とは違う中国語の音域の感覚がつかめたでしょうか。ではここから通常の順番で声調を学びましょう。語文の教科書の母音のページに戻ります。

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「a   o  e」の母音のページに、車の昇り下りしている声調の図があります。
最初のページなので声調が載っていると思うかもしれませんが、「a   o  e」のページで声調を取り上げる理由があります。

★ 声調は母音「a   o  e i  u   ü」に振るからです。

そしてこの単母音が複母音として複数が同時に登場する場合、どの母音に振るかの優先順位が決まっています。

なんと「a   o  e」が優先で、しかも a→  o → e の順です
でも oとeは一音節では同時に現れない。
★ 結局は a がいつも最優先で、二番目が  o もしくは  e です。

どの母音かは声調記号の付いた母音「a   o  e i  u   ü」で、とくに「a→  o → e」の優先順で振られますから、「a」は、ですから大きく口を開けて発音しましょう。

中国人同士の会話がにぎやかに行われている時 a の音が良く聞こえてくるのはそのためです。

中国語は母音を大きな声ではっきりと発音しましょう。

意味を伝えるということでは、声調とそして母音は最も重要です。
発音練習の際母音と声調をセットで身に付けましょう!

各声調の発音の仕方

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一声・ニ声・三声・四声そして軽声があります。声調はトーンの上がり下がりです。一番高いトーンはドレミの「ソ」です。一番低いトーンは「ド」よりも下がります。

一声は高いまま横に伸ばします。汽笛の「ポー」のようにです。
ニ声は上げて最後もキュットさらに上がります。「ええ!」と聞き返すあの感じです。
三声は低く抑えて最後が抑えきれず少し上がります。「あーあ!」のため息のように。
四声は一番高いところから一気に落とします。カラスの「カアー」のイメージです。
軽声は前の声調のトーンに影響されます。簡単なのは真ん中に戻すという方法です。前が高ければ低くして真ん中へ、低ければ高くして真ん中へポンと置く感じです。

単語練習

1 、声調の練習でお勧めは1から10の数字です

四声が全部網羅されています。
一 ・  二 ・èr  三 ・sān  四 ・ 五 ・
六 ・liù 七 ・  八 ・  九・jiǔ 十・shí

声調の練習と同時に、今まで学んだ事柄の復習も兼ねてみましょう。

一 ・:本来は「i 」ですが、子音yをつけて「yī」に変わっています。
五 ・:これも同じつづり方の変更ルールで「u」には子音wをつけて
 「wu」にします。元の音は「u 」ですね。
六 ・liù と 九・jiǔ: iu 複合母音の発音ですが、iouで発音します。
  「隠れた ·o 」という発音の現象です。
四 ・sì:zi ci si という子音のグループの発音ですが、si には、su という
  よく似たピンインがあります。

 

こんなことも学んでおこう!

■ 语言训练小洁老师 の声調訓練

タイトル:说话声音怪?四招学好四声调。
     話し方が変だ?四声を習得するための4つの方法です。

一声 阴平 yīnpíng               二声   阳平 yángpíng   
三声  上声  shǎng shēng         四声  去声  shēng
※ 上声 の「」は“上声 shǎngshēng”と三声で言います。山(やま)は shàng 四声 です。

来找找音调高低的感觉(lái zhǎo zhǎo yīn diào gāo dī de gǎn jué.)
声調の音階の高低の感覚を身に付けましょう。
听音阶法(tīng yīn jiē fǎ)音階を聴く方法も3っつ提案されていました。

その一つが「爬山发音法 Páshān fāyīn fǎ 」音階の練習のようです。3分10秒にあります。

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そして声調にも口ずさむ 口诀Kǒujuéがあります。これも練習に使ってください。

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「四声歌」の冒頭の句に次のようなフレーズがあります。

学好声韵辨四声,阴阳上去要分明(xué hǎo shēng yùn biàn sì shēng , yīn yáng shǎng qù yào fēn míng。:訳、声調と韻をよく学び、陰陽と上去の区別を明確にする必要があります。

学好:動詞・補語(形容詞)  ちゃんと学ぶ,学んで身につける.
辨:動詞  見分ける、識別する。
辨四声:    四声を識別する

こうしたフレーズそのものも口ずさんで覚えてしまいましょう。

阴阳上去(yīn yáng shǎng qù):陰陽上去 - 中国語の四声調の一つです。
阴阳赏趣(yīn yáng shǎng qù):陰陽賞趣 - 陰と陽の相反する属性や魅力を楽しむこと。陰と陽の調和の美を愉しむこと。この文字でもできそうです

他にも最後の方で「包含四个声调的四字词语。 bāohán sì gè shēngdiào de sì zì cíyǔ」4つの声調を持つ4文字の言葉で練習もおこなっています。

花红柳绿(huā hóng liǔ lǜ):花が赤く咲き、柳が緑に茂る 
发扬友爱(fā yáng yǒu ài):友愛を発揚する - 友愛の精神を広める、
资源满地(zī yuán mǎn dì):資源が豊富な土地 - 資源に恵まれた地域、

※ 四声歌は中国で演劇やアナウンサーなどが滑舌を良くする練習歌です。日本にも外郎売(ういろううり)という口上の長セリフがあります。声のプロの人には有名な滑舌練習のセリフです。
ですので、ピンイン経験者が上級レベルを目指す場合に役立ちますので、ここでは冒頭の一部のみのご紹介です。

 

■ 一声×三声・二声×四声日本人向け声調練習

一声と三声そして二声と四声をセットにした練習で、とても的確な説明と模範音声の「アジアの言葉教室」稲葉あきこ先生の動画をご紹介します。「通じるための重要な声調」にふさわしい声調の紹介になっています。


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